浅煎りはモコモコに膨らまない
浅煎りコーヒーでは、撹拌ドリップ法を使用します。
なぜかというと、浅煎りのコーヒー豆は湯を注いでも、あまり二酸化炭素ガスが発生しません。モコモコと膨らまないのです。
これは豆の硬さによるもので、豆の微細孔からガスが抜け出にくいことが原因です。
ガスが抜けにくいと、コーヒー豆の美味しい成分が抽出しづらくなってしまいます。そのため、抽出の途中でコーヒーの粉を人為的に撹拌することで、美味しい成分を無理やり出し、浅煎り本来のポテンシャルを発揮させられるのです。
浅煎りの美味しい淹れ方(撹拌ドリップ)
「湯温は必ず高い温度で。そして、短い時間で抽出を終える。」
これが浅煎りを淹れるときの決定事項です。
酸味は”お湯を注いだ直後から”抽出されていき、苦みや渋みは”抽出の後半”で出るとされています。
浅煎りのコーヒーは、そもそも苦みがあまりないものと考えるので、抽出の後半はなくてもよいと考えます。なので、深煎りのコーヒーよりも抽出時間はかなり短くなっています。
そして、挽き目は中粗挽き。
浅煎りのコーヒーは、成分がギュッと凝縮されています。
細挽きで抽出した日にはそのギュッと凝縮された成分が壁となり、まったく湯が落ちなくなります。(いわゆる過抽出になります。渋みが出て美味しくなくなります。)
浅煎りのコーヒーのギュッと凝縮された成分を、余ることなく抽出する方法をご紹介していきます。
必要なもの

○ スペシャルティコーヒー豆
○ 円錐型ドリッパー
○ ペーパーフィルター
○ サーバー
○ ケトル
○ コーヒーミル
○ お気に入りのマグカップ
○ スケール
○ タイマー
○ スティック温度計
○ スプーンや竹べら(かき混ぜるもの)
分量
[浅煎り]
粉量(1人分:12~14g/2人分:18~20g)
湯温 ( 90~92度)
湯量(1人分:150~180cc/2人分:280~300cc)
抽出時間(1人分:1分30秒/2人分:2分15秒)
撹拌ドリップでの抽出方法
器具を温める

コーヒーが触れる器具をすべて温める。
サーバー、ドリッパー、ケトル、コーヒーカップをお湯で温めます。
ポイント
いつも同じ環境下でドリップすることが味の安定につながります。
温め用のお湯を捨てる
サーバーとマグカップのお湯を捨てます。
ケトルの湯はスティック温度計で90~92度になるよう調節。
コーヒーの粉をいれる

ドリッパーにコーヒーの粉をいれます。
※ドリッパーをトントンと叩いて粉を平面にします。
タイマーを開始しお湯をいれて撹拌

スケールが「0g」になっていることを確認。タイマーをスタートし、抽出スタート。まずは40gお湯を淹れ、手早く撹拌します。
ポイント
ペーパードリッパーの下の方までしっかり5回ほど撹拌してください。全体を撹拌することでより成分が抽出されやすくなります。
2湯目をいれる

タイマーが30秒を経過したら2湯目を淹れます。150~180gになるまで中心めがけて一気に注ぎます。
※粉が暴れない程度に注いでください。
ドリッパー内のコーヒーを抽出

ドリッパー内のすべてのコーヒーが抽出されたら、抽出終了の合図。
ポイント
1分30秒くらいで抽出できます。
ドリッパー内のコーヒーは渋みを伴っていないので、落とし切ってしまって大丈夫です。
カップに注ぐ

ドリッパーをぐるぐると回して全体に味を浸透させ、カップに注ぎます。
味はとろみがあって、フルーティーさが口の中に少しの間滞在し、次第に消えていく感じではないでしょうか?
今回、筆者はハリオのv60ドリッパーを使用しましたが、円錐ドリッパーであればどれを使用しても構いません。
円錐ドリッパーは湯の落ちが速いので、浅煎りにもってこいのドリッパーです。
浅煎りコーヒーは日本に浸透していくのか
北欧ではファミレスやファストフード店でも、浅煎りコーヒーが出てくるくらい浸透していますが、日本ではまだまだ、深煎りコーヒーの文化が根強く残り、一般的には浸透していないのです。
それが悪い文化だとは決して思いませんが、「浅いコーヒーもありだな。と思ってもらえたら、より充実したコーヒーライフを送れるのになぁ」と、筆者は考えています。
美味しいと思えるコーヒーの範囲が広がると、どのカフェでもワクワクし、家でも楽しめるコーヒーを楽しめます。
世界的な流行に乗って、浅煎りのコーヒーを身近な人に披露したり、浅煎りノータッチの人とカフェに飲みに行ってみたりしてはいかがでしょうか?
浅煎りを飲んだときの衝撃を、ぜひ感じてみてください♪